予防医療

予防接種

当院では小学生以上を対象に診療しています。
インフルエンザ、肺炎球菌、麻しん、風しんなど各種予防接種に対応しております。

在庫等の関係上、予防接種をご希望の方は事前にご連絡をお願いします。

健康診断

健康診断には定期健診、特定健診、雇入れ時健診、各種がん検診、自費健診などがあります。

現在の自分自身の健康状態を評価・把握し、健康保持のために生活習慣病やがんの予防・早期発見に役立てるものです。
1年に1度は自分で自分自身の健康状態をチェックしてみませんか?

サルコペニア・フレイルをご存知ですか?

サルコペニア・フレイル
加齢により心身が疲れやすく弱った状態であるフレイル(虚弱)とフレイルの原因となる筋肉量の減少および筋力が低下する症状であるサルコペニア。

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フレイルとは

フレイルとは、わかりやすく言えば「加齢により心身が老い衰えた状態」のことです。しかしフレイルは、早く介入して対策を行えば元の健常な状態に戻る可能性があります。高齢者のフレイルは、生活の質を落とすだけでなく、さまざまな合併症も引き起こす危険があります。

フレイルは、海外の老年医学の分野で使用されている英語の「Frailty(フレイルティ)」が語源となっています。「Frailty」を日本語に訳すと「虚弱」や「老衰」、「脆弱」などを意味します。日本老年医学会は高齢者において起こりやすい「Frailty」に対し、正しく介入すれば戻るという意味があることを強調したかったため、多くの議論の末、「フレイル」と共通した日本語訳にすることを2014年5月に提唱しました。

 フレイルは、厚生労働省研究班の報告書では「加齢とともに心身の活力(運動機能や認知機能等)が低下し、複数の慢性疾患の併存などの影響もあり、生活機能が障害され、心身の脆弱性が出現した状態であるが、一方で適切な介入・支援により、生活機能の維持向上が可能な状態像」2)とされており、健康な状態と日常生活でサポートが必要な介護状態の中間を意味します。多くの方は、フレイルを経て要介護状態へ進むと考えられていますが、高齢者においては特にフレイルが発症しやすいことがわかっています。

 高齢者が増えている現代社会において、フレイルに早く気付き、正しく介入(治療や予防)することが大切です。

フレイルの基準

フレイルの基準には、さまざまなものがありますがFriedが提唱したものが採用されていることが多いです。Friedの基準には5項目あり、3項目以上該当するとフレイル、1または2項目だけの場合にはフレイルの前段階であるプレフレイルと判断します。

  1. 体重減少:意図しない年間4.5kgまたは5%以上の体重減少
  2. 疲れやすい:何をするのも面倒だと週に3-4日以上感じる
  3. 歩行速度の低下
  4. 握力の低下
  5. 身体活動量の低下

フレイルには、体重減少や筋力低下などの身体的な変化だけでなく、気力の低下などの精神的な変化や社会的なものも含まれます。 

フレイル状態に至るとどうなるか

フレイルの状態になると、死亡率の上昇や身体能力の低下が起きます。また、何らかの病気にかかりやすくなったり、入院するなど、ストレスに弱い状態になっています。例えば健常な人が風邪をひいても、体の怠さや発熱を自覚するものの数日すれば治ります。

しかし、フレイルの状態になっていると風邪をこじらせて肺炎を発症したり、怠さのために転倒して打撲や骨折をする可能性があります。また、入院すると環境の変化に対応できずに、一時的に自分がどこにいるのかわからなくなったり、自分の感情をコントロールできなくなることもあります。転倒による打撲や骨折、病気による入院をきっかけにフレイルから寝たきりになってしまうことがあります。

 フレイルの状態に、家族や医療者が早く気付き対応することができれば、フレイルの状態から健常に近い状態へ改善したり、要介護状態に至る可能性を減らせる可能性があります。

参考文献

  1. フレイルに関する日本老年医学会からのステートメント 一般社団法人日本老年医学会
  2. 厚生労働科学研究費補助金(長寿科学総合研究事業) 総括研究報告書 後期高齢者の保健事業のあり方に関する研究 研究代表者 鈴木隆雄

サルコペニアとは

サルコペニアとは、加齢による筋肉量の減少および筋力の低下のことを指します。

2016年10月、国際疾病分類に「サルコペニア」が登録されたため、現在ではは疾患に位置付けられています。サルコペニアになると、歩く、立ち上がるなどの日常生活の基本的な動作に影響が生じ、介護が必要になったり、転倒しやすくなったります。また、各種疾患の重症化や生存期間にもサルコペニアが影響するとされ、現在は様々な診療科にまたがってサルコペニアが注目されています。

65歳以上の高齢者の15%程度がサルコペニアに該当すると考えられています。2019年時点で高齢者人口が3,589万人とされていることから、500万人程度の方がサルコペニアになっていることになります。なお、このサルコペニアの割合は、加齢に伴って増加すること(65歳よりも75歳、85歳で増える)、女性よりも男性で高くなることなどの特徴があります。

 筋肉(筋力)は40歳頃から少しずつ減少し、70歳を超えた頃から自覚症状を認めるようになります。

(上図)加齢に伴う筋量・筋力の変化のイメージ図

勿論、若い頃と同じような状態にまで戻ることは難しいですが、筋肉は運動と栄養により改善を期待することができます。

「最近、手足が細くなった」
「重たい荷物が持ちにくくなった」
「椅子から立ち上がりにくい」
 
などの症状がある場合には、医師に相談して下さい。